古い地図が迷わせる
「部下に対する要求が高いと、部下から陰口を言われている」
(自分が同じ立場にいたときと同等のパフォーマンスを求めているだけなのに……)
「自分で考えて動いて欲しいのに、部下への指示が不明瞭だと言われる」
(作業者のままでは成長しないのに……)
「端的に指示をするだけで部下の言い分を聞かず、納得感がないと言われる」
(効率を重視して、最速で動いて欲しいのに……)
全て、実際にいただいたご相談です。
プレイヤーとして優秀だからこそ昇格して部下を持つようになったものの、今までのやり方では全く通用せず、戸惑っているとのこと。
マネージャーになって部下を持つようになると、
働き方の地図ががらっと変わります。
そこに気が付かないまま働いていると迷子になって、
「こんなはずじゃないのに!」と
慌ててポケットから地図を引っ張り出しても、
それはプレイヤーの地図。
マネージャーの役には立ちません。
しかし、それでも「ないよりはあった方がいいか」と
古い地図を使い続けて、ますます迷子になってしまう。
これ、冷静に考えてみると相当おかしなことをしていて、
たとえば初めて行ったパリで迷子になったとき。
地図を持っておらず、スマホの電池も切れてしまっている。
どうしよう、何か役に立つものを持っていないかと
鞄を探ったところ、奇跡的に地図が出てきた。
何だ、地図持ってたんだ! と喜んで広げてみたところ……
出てきたのは渋谷の地図。
そのときに、「地図はないよりあった方がいいよね」って
渋谷の地図を広げてパリの街をよちよち歩くようなものです。
本人もおかしなことをしていると気付いているのだけれど、
しかしどうすればいいのか分からない。
3/22(水)は、毎月恒例の部下育成セミナーを開催。
昇格して新しく部下を持つようになった方が多く、
マネージャーとして部下を育成するための地図をお渡ししました。
自分ができるということと、部下ができるようになることは違います。
自分が重要だと思っていることを、部下は重要だと思っているわけではない。
そもそも、自分が好きな仕事を部下も好きなのか、部下は何が好きで嫌いなのか……
実はほとんどのマネージャーが、部下のことをよく知りません。
どの仕事が好きで、どの仕事が嫌いなのか、それすらもよく分かっていない。
そんなことを分かる必要性があるのか、それも分からない。
毎回、まずお伝えしているのは、部下のことをよく観察してください、ということです。
それが新しい地図の第一歩。
その上で、どう部下を育成するかという地図を描いています。
4月以降も月1回開催する予定ですので、ご興味ある方は是非。
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